綺麗な月と愛の話 3
↑の続きです。
今回は順調だった婚約者と僕が何故別れたかについて話します。
前回の話では、婚約までの話を伝えました。そして婚約してから2年と3ヶ月ありましたが、入籍はしませんでした。
理由は婚約者の父親に借金があり、完済するまで入籍を待って欲しいと言われていたからです。籍をいれると婚約者の父親に何かあった時に私に借金の請求がきます。
私は特に気にしませんでしたが、婚約者の強い希望と私を気遣ってくれている優しさを尊重し、借金の支払いが終わるまで待つことにしました。
1年後、借金を立て替え完済。
入籍の話をしましたが少し時間が欲しいと言われました。
婚約者の返済は18歳の時から。
完済が30代中盤。人生の半分を父親の借金返済にあてていました。
もちろんそのことは知っていましたし、婚約者のことを考え待つことにしました。
更に1年後、少ないながらも貯金ができました。婚約者には持ち家の実家が無かったため、思いきって私の名義でマンションを買うことにしました。
私に何かあったときに家だけでも残してあげたい。その一心でした。それを気に再度プロポーズをし2度目の婚約をします。
ここまでは多少山あり、谷ありでしたが順調な付き合いかと思いますが、今思えばこの時には恋人としての関係は終わっていたと思います。
婚約者は過去のトラウマで性行為に抵抗がありました。付き合ってから5年ほどでしたが、私の記憶では両手、多くて両足入れた回数程度だったと思います。
付き合って2年ほどしたころからレスになり、婚約者からはバレないように他所で発散してきてくれと言われていました。
私は欲が満たされないときは
ネトナンやナンパでその日限りの人を見つけ欲を満たしていました。
満喫やカラオケ、居酒屋や公園。
若かった私は途中からスリルを求めるようになりどんどんエスカレートしていきました。
欲というものは青天井で上限がなく
1度求め始めたらきりがありません。
しかし体を重ねても満たされないものがありました。それは心です。
本当に好きな人とは愛し合えない。
いくら他の人と体を重ねても心は渇いていくばかり・・・
そんなときに彼女に逢いました。
本気で好きになり、本気で愛し合い、本気だから婚約者と入籍する前に別れた。
別れた時、私は泣きました。
何度も何度も。恥ずかしながら自分で泣いていて人の涙はこんなにでるのかと驚いた記憶があります。
ある日、婚約者が外食をしてくると連絡してきました。仕事が終わり、ふと1人になった時、涙が止まらなくなりずっと泣いていました。
会えないことへの虚無感、
別れたことへの後悔、
彼女や婚約者を裏切っていたことへの罪悪感
いろんな感情が入り雑じって泣いていました。
私自身、この記事を書いていて
本当に勝手な人間だと思います。
しかし、道徳心だけでは片付けられない感情がその当時の私にはありました。
「ただいま」
いつも通りの声、いつも通りの婚約者が予定の時間より早く帰ってきました。
いつも通りでいられなかった私は、泣いている姿を婚約者に見せてしまいました。